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『ジュラシック・パーク (Jurassic Park)』に出てくる「緑色のゼリー」について

ジュラシック・パーク・シリーズの新作『ジュラシック・ワールド』が今年公開(日本では8/5)ということで、第一作『ジュラシック・パーク 』を見直してみた。



特に子どもの時の記憶に多いのだが、突き刺すような点的な記憶というものがあると思う(バルトのいう「プンクトゥム」的といえるような)。

その記憶は概して一瞬のもので、五感を通してその時感じた全感覚、その時の全現象がその一点にそのまま保存されているような記憶である。

その記憶が開かれる際には、その時の現在がそのままに与えられている気がする。

記憶の準現前性を感じさせない、直接的な、現前的記憶というものがあると思う。


今回、『ジュラシックパーク』を小学生の時以来に見直して、そのような記憶に出会った。

それは映画の終盤の食事シーン。食堂に逃げ込んだ子供たが食べる「緑色のゼリー」である。


jurassicpark 2
画像は Jurassic Park (1993, film)からの引用(以下の画像も同様)
Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved


私は小学生の時にこのゼリーを見て「おいしそう」と思った。

その小学生の時に得た「おいしそう」という触覚的感覚が、今このワンカットとともによみがえってくる。

映画『ジュラシックパーク』の中で私にとって一番印象的な、脳裏に焼き付いているシーン(対象)は間違いなくこの「緑色のゼリー」である。


おそらくここまでにこの「緑色のゼリー」が強力な記憶となっているのは個人的な嗜好のためだけではない。

エイリアンの体液のように毒々しい緑色をした、着色料・添加物上等といわんばかりのこのゼリーは、文明的な食べ物の象徴である。

恐竜の血なまぐさい野性的な食事とは正反対の人間の文明的な食事がそこにはある。

jurassicpark 1
Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved


見方によれば『ジュラシックパーク』は恐竜が食事をする映画といってもよい。サブタイトルが「恐竜の食事」でもいい(笑)。

主人公たちはまさに恐竜たちの食堂に迷い込んだわけである。

そこから脱出し逃げ込む先は、屋内の、テーブルと椅子の揃えられた人間の食堂であり、そこでフォークとスプーンでもって人工的な、刺激的な色をしたいかにも甘ったるそうなゼリーやケーキを食べる。これぞ人間の文明的な食事の極致である。

そのため、この後半の食事シーンで、映画前半の食事シーンに出てくるような食べ物(下画像)を提示するようなことはあってはならない。

jurassicpark4
Film TM & (C) 1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved


このステーキ?の出てくる前半の食事シーンは後半の食事シーンと対照を成すものである。

実際に、前半の食事シーンはラプトルが牛を食べるシーンに続くもので、野生の食事に属している。だからおいしそうじゃないのだ。


「恐竜が食べる」映画である『ジュラシックパーク』において「食事」はこの上なく重要な意味を持っている。
『ジュラシックパーク』に食事シーンは必要不可欠であり、恐竜の食事と人間の食事の対照関係、前半・後半の対照的な食事シーンは絶対に描かれければならないのである。

スピルバーグがすごいのはそれをイメージ化する時のセンス(sence)、というよりもむしろ、イメージをイメージとして提示するセンスである。

「緑色のゼリー」にはスピルバーグのセンスが詰まっている。

ゆえに私が「緑色のゼリー」を現前的記憶として持っていたのは不思議なことではない。

「緑色のゼリー」は意味を意味の手前で、言語や論理を介する必要なく訴えるイメージであり、小学生の私はそれを素直に受け取ったのだろう。



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